星系記録 / 作中の宙域・施設

メリディアン — 太陽系の時刻を管理する中央時刻庫

メリディアンはSTAR WARRANTの作中にだけ存在する地球軌道都市・時刻管理施設です。各地のローカル記録を中央時刻に変換する仕組みが、CASE 005の十三個の時計とCASE 012の消えた十三分間を成立させました。最終事件後は、変換過程を公開する分散型のOPEN MERIDIAN TIMEへ移行します。

太陽系の「同じ時刻」を人工的に作っている場所

メリディアンは、現実には存在しない作中だけの地球軌道都市です。役割は一つ。場所ごと、船ごとにばらばらに流れる時間を、太陽系共通の「中央時刻」に変換して管理することです。

2319年の太陽系では、航路や重力環境の違いによって、時計ごとに刻む時間がわずかに違ってきます。なぜ経路で時計の進みが変わるのかという仕組みは、証拠ファイル「固有時とは? 相対性理論の「時間」の考え方」と CASE 005 に譲ります。この施設の記録上、重要なのは次の一点です。太陽系の出来事はまずローカル時刻で記録され、メリディアンで中央時刻に変換されて初めて公式記録になる。つまり、変換の権限を持つ者は、公式の歴史に手が届くということです。

MICA-13 船載AI
補足します。中央時刻は観測結果ではなく、運用です。そして運用には、必ず運用者がいます。

この施設だから、13個の時計が「密室」になった

メリディアンの保管室「ゼロ時刻庫」で、双子の兄が死亡しました。室内に残されていたのは、異なる航路を経てきた13個の航行時計。どれも壊れておらず、どれも「正しい」のに、すべて違う時刻を示していました。一方、容疑者とされた双子の弟は、地球から約4光時離れた高速船の上。信号が届くだけで、片道およそ4時間かかる距離です。

問われたのは、どの時計を信じるかではありません。それぞれの時計が経験した時間を、同じ時系列に変換できるか。共通時刻の総本山だから成立したこの密室の捜査は、事件ファイル「宇宙に行くと時間が遅れるのはなぜ? CASE 005「二人の容疑者、ひとつの誕生日」」で描かれます。さらに、シーズンを貫く「消えた13分間」も、各地の記録を中央時刻に変換するこの仕組みと無関係ではありません。改ざんを追う手掛かりの全体像は、「消えた13分間 — シーズン1捜査ボード」に整理しています。

その仕組み自体が捜査対象になったのが、シーズン最終事件CASE 012「消えた13分間」です。十三個の時計は止まっておらず、各地の十三分間を中央台帳へ所属させる変換規則だけが操作されていました。

メリディアンの作中区画

STORY 作中だけの設定

  • ゼロ時刻庫 — 時刻の基準機器と証拠品の時計を収める保管室。物理保守鍵がなければ入れず、入退室は中央記録に残る。CASE 005 では、13個の航行時計がここに集められた。
  • 時刻局 — 中央時刻の運用と、各地記録の時刻変換を担う部局。三年前、広域で発生した13分間の記録欠落の矛盾を指摘した告発を審査し、退けたのもこの部局とされる。
  • MERIDIAN-13 — CASE 012で十三の独立時刻系を一つに統合しようとした作中の基準時刻局。事件後はOPEN MERIDIAN TIMEへ移行した。

現実ではどうやって「世界の時刻」を作っている?

共通の時刻を人工的に維持するという発想は、現実にもあります。

REAL SCIENCE 現実の科学

  • 世界の基準時刻である協定世界時(UTC)は、国際原子時(TAI)にうるう秒を挿入して調整した時刻です。各国の研究機関が自国の時計データを国際度量衡局(BIPM)に送り、UTC の維持に貢献しています。
  • 日本標準時は、情報通信研究機構(NICT)が UTC を9時間進めて生成する時刻です。最大4台の水素メーザ、約18台のセシウム原子時計、1台のストロンチウム光格子時計を組み合わせて決定されています。
  • うるう秒は、地球の自転とのずれを調整するための仕組みです。これまでの挿入の積み重ねで、UTC は TAI から37秒遅れています。

一つの完璧な時計が世界の時刻を決めているわけではありません。多数の原子時計を照合し、「共通の時刻」を合成し続けている。メリディアンの中央時刻庫は、この現実の営みを2319年まで引き伸ばした施設だといえます。

参考資料

  1. 情報通信研究機構(NICT)「日本標準時」 日本標準時が UTC+9時間であること・水素メーザとセシウム原子時計群と光格子時計で決定されること・うるう秒と TAI との37秒差の確認(確認日: 2026年8月11日)
  2. 国際度量衡局(BIPM)「Time metrology」 UTC が国際原子時(TAI)へのうるう秒挿入で得られ、各国機関が時計データを BIPM に送って維持されることの確認(確認日: 2026年8月11日)

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