EVIDENCE ARCHIVE
科学証拠ファイル
事件の推理に使われた宇宙科学を、概念ごとに整理した保管庫です。「なぜ」「どうなる」といった具体的な疑問は各事件ファイルが担当し、ここでは仕組みと定義を担当します。担当乗組員の捜査メモ付き。
SW-EV-01 / 担当: ジョウ・カナタ
音はどうやって伝わる? 音波という証拠の読み方
音は、空気や水、金属といった媒質を構成する粒子の振動が、隣へ次々と受け渡されて進む波です。伝わる速さは媒質で決まり、15℃の空気で約340m/s、水中では約1,500m/s、ガラスや鉄などの固体では5,000m/sを超えます。振動を受け渡す物質がない真空では、音は伝わりません。
SW-EV-02 / 担当: ミラ・ヴォス
光の散乱とは? 空の色が決まる仕組み
光の散乱は、光が空気分子や塵に当たって進む向きを変える現象です。粒子が波長より十分小さいと、短い青い光ほど強く散ります(レイリー散乱)。そのため昼空は青く、長い大気を通る夕方は青が減って赤が残ります。波長と同程度以上の雲粒では色差が小さく、多くの色が混ざって白く見えます(ミー散乱)。
SW-EV-03 / 担当: ジョウ・カナタ
レゴリスとは? 月の砂が証拠になる理由
レゴリスとは、天体の表面を覆う細かく砕けた岩石や塵の層です。月では微小隕石の衝突が岩を砕き、風や水の浸食がないため粒は鋭いまま残ります。帯電して機器や宇宙服へ付着し、吸い込むと目・鼻・喉を刺激します。長期曝露による健康影響は、まだ研究中です。
SW-EV-04 / 担当: MICA-13
軌道とは? 高さと速さで決まる宇宙の通り道
軌道とは、天体や人工衛星が重力に引かれながら描く通り道です。同じ天体を回る円軌道では、高度・速さ・一周の時間がセットで決まり、低い軌道ほど速く回ります。楕円軌道では高度だけで速さを決められないため、近地点・遠地点と速度の向きも合わせて読みます。
SW-EV-05 / 担当: ミラ・ヴォス
固有時とは? 相対性理論の「時間」の考え方
固有時とは、その時計が自分自身で刻んできた時間のことです。宇宙のどこでも同じに流れる「絶対の時間」は存在せず、基準と比べて相対速度が大きい時計と、より強い重力の中に置かれた時計は、別々の理由でゆっくり進みます。GPS衛星が毎日約38マイクロ秒の補正を織り込んで運用されているのは、この二つの効果が現実に働いている証拠です。
SW-EV-06 / 担当: ミラ・ヴォス
ブラックホールとは? 構造・種類・観測方法
ブラックホールとは、重力が強すぎて光さえ脱出できない時空の領域です。本体は光らないため直接は見えませんが、周囲で輝くガスの円盤、近くを回る星の運動、合体のときに放たれる重力波などを手がかりに観測できます。質量は太陽の数倍のものから数百億倍のものまで幅があり、ひとくくりにできる天体ではありません。
SW-EV-07 / 担当: ジョウ・カナタ
熱はどう伝わる? 伝導・対流・放射の違い
熱は、接している物質を通る伝導、液体や気体の流れで運ばれる対流、電磁波として届く放射の3経路で伝わります。真空中で残るのは、接点を通る伝導と放射です。魔法瓶や宇宙船では、断熱材・反射面・放熱面の組み合わせが経路ごとの熱を制御します。
SW-EV-08 / 担当: MICA-13
光行時間とは? 宇宙の通信が遅れる理由
光行時間とは、光や電波がある距離を進むのに必要な時間です。月から地球までは約1.3秒、太陽から地球までは約8分、地球と火星の間は互いの位置により片道約3〜22分かかります。これは時計の進み方が変わる「時間の遅れ」ではなく、信号の移動時間です。
SW-EV-09 / 担当: ミラ・ヴォス
惑星大気と嵐とは?雲・風・循環を比べる証拠ファイル
惑星の風や嵐は、太陽から受ける熱だけでなく、内部熱、自転、大気組成、圧力、雲の凝結、地表の有無で変わります。地球の台風をそのまま外惑星に当てはめず、何を追跡して風速を求めたかまで確認する必要があります。
SW-EV-10 / 担当: ジョウ・カナタ
宇宙天気とは?太陽風と磁気圏をつなぐ証拠ファイル
宇宙天気は、太陽の爆発現象や、粒子・磁場を運ぶ太陽風が、地球磁気圏・電離圏・人工衛星・通信・送電網に与える変化です。フレア、CME、磁気嵐は同じ現象ではなく、到達時間と警戒対象を分けて読みます。
SW-EV-11 / 担当: MICA-13
潮汐加熱とは?衛星内部が温まる仕組みの証拠ファイル
潮汐加熱は、衛星が主天体から受ける重力の強さが軌道上で変わり、天体を周期的に変形させることで内部摩擦が熱を生む現象です。軌道が完全な円なら変形差は小さくなり、共鳴が離心率を保つと加熱が続きます。
SW-EV-12 / 担当: ジョウ・カナタ
軌道力学と共鳴とは?天体の通り道を読む証拠ファイル
軌道力学は、天体の位置と速度が重力でどう変化するかを扱う分野です。共鳴は複数天体の周期が簡単な整数比に近い状態で、重力作用が同じ位相で積み重なり、軌道を安定させたり離心率を保ったりします。
SW-EV-13 / 担当: エナ・ソレル
元素合成と同位体時計とは?物質の起源を読む証拠ファイル
元素合成は、初期宇宙、恒星内部、爆発、天体合体などで原子核が作られる過程です。同位体時計は、親核種と娘核種の比と壊変速度から、鉱物が閉じた時期を求めます。元素の起源と鉱物の年代は、核種や同位体比を手掛かりにしますが同じ問いではありません。
SW-EV-14 / 担当: MICA-13
中性子星と宇宙メッセンジャーとは?高密度天体の証拠ファイル
中性子星は超新星後に残る高密度天体です。パルサーの電波・X線、荷電した宇宙線、ほとんど反応しないニュートリノは別の情報を運びます。磁場で曲がる宇宙線と直進しやすいニュートリノを組み合わせて発生源を絞ります。
SW-EV-15 / 担当: ミラ・ヴォス
ダークマターと重力レンズとは?見えない質量の証拠ファイル
ダークマターは直接写真に写った物質名ではなく、銀河の回転、銀河団の運動、重力レンズ、宇宙背景放射などを一貫して説明する追加質量の名称です。存在を支持する重力的証拠は強い一方、構成粒子は未検出です。
SW-EV-16 / 担当: エナ・ソレル
宇宙膨張とダークエネルギーとは?未来を測る証拠ファイル
宇宙膨張は空間の尺度が時間とともに変わる現象で、遠方超新星などは膨張の加速を支持します。ダークエネルギーはその加速を記述する成分の名称ですが、正体は未確定で、宇宙の最期も状態方程式に依存します。