人物・賞金首記録(作中の創作人物)
ハク・ヴェイル — 真実に値段をつけるライバル賞金稼ぎ
STORY 作中の創作人物
ハク・ヴェイルは、《ヴェスパー》を率いる36歳の賞金稼ぎです。ひと言でいえば、何にでも値札を付ける男が、燃料・免許・信用を自分で払い、真実を一人に独占させない方向へ変わっていく人物です。
善意は信じない。対価なら信じる
ハク・ヴェイルは、無料の善意を信じません。情報にも、救助にも、真実にも値段があると考える星間賞金稼ぎです。初登場は、月面の足跡はなぜ消えにくいのかを追ったCASE 003「歩いていない失踪者」。レイたちが月面基地で真相に迫るあいだに、重要な記録片を持って先回りしていました。
ハク・ヴェイル 賞金稼ぎ《ヴェスパー》 いい情報だ。で、いくらで買う?
ただし、この男の値付けは単純ではありません。CASE 004では、遭難したジョウ・カナタの救助に自分の帰還燃料を投入しています。対価の計算より先に、身体が動くときがある。その矛盾こそが、ハク・ヴェイルという人物です。
経歴には三年分の空白がある
公式に分かっているのは、36歳、《ヴェスパー》の船長、腕のいい賞金稼ぎという経歴だけです。「消えた13分間」が生まれた三年前、この男がどこで何をしていたのか。その部分だけが、長く空白のままでした。
CASE 006 捜査後に開く
三年前、エナ・ソレルを追跡した賞金稼ぎは、ハク・ヴェイル本人でした。しかし依頼側が仕掛けた罠で船が損傷し、遭難します。エナは逃走の機会を捨てて、ハクを救助しました。ハクはエナの真相を売らず、借りを返すことを優先します。
CASE 006では、三年前の追跡契約を自ら公開し、証拠消去用の契約鍵を失効させました。賞金業界からの信用低下という代価を、自分で払った形です。
各事件でハクが払ったもの
- CASE 003: 記録片を持って先行し、レイたちにとって最初の競争相手になる。
- CASE 004: ジョウを救助し、帰還のための燃料を救助に使う。
- CASE 005: 高額の殺人令状に飛びつかず、その論理の弱さを自分から認める。
- CASE 006: 選択の中身は上の折りたたみのとおり。事件そのものはブラックホールに落ちるとどうなるのかを追ったCASE 006「昨日から届いた映像」で確かめられます。
CASE 012以降の捜査後に開く
CASE 012でハクは、テレサ・ノルンに懸かった複数令状を一人の依頼人へ渡さず、保護名目で《ヴェスパー》へ移しました。機密契約記録と依頼人情報の公開、複数令状の執行拒否により一級免許は停止されます。
それでも賞金稼ぎをやめたわけではありません。シーズン2では、免許復帰を報酬に含む六億クレジットの回収契約を拒否し、地球外生命の結論を急ぐ船を妨害しました。真実に価格があるという考えは変わらなくても、その価格を一者に独占させない段階へ進んでいます。
回を追うごとに、ハクが支払うものは金銭から遠ざかっていきます。燃料、令状、そして信用。何を代価にしたかを並べると、この男の変化が見えてきます。
レイと交わらない一本の線
レイは「真実は被害者のもの」と考え、ハクは「真実は支払った者のもの」と考えます。同じ賞金事件を追い、救助で共闘しても、同じ船の仲間になったわけではありません。ジョウはハクへの警戒を残しつつ、行動で示された信頼を認め始めています。
そしてエナとのあいだには、契約だけでは処理できないものが残っています。その中身は、死亡認定された導き手エナ・ソレルの人物記録とあわせて、捜査のなかで確かめてください。
未回収の謎
- 一級免許を失ったまま、賞金稼ぎとしてどの制度に立つか
- 真実の価格を一人に独占させないという選択を、どこまで続けるか