船体記録 / 登録: C-13-NTJ(旧識別)
ナイトジャー号 — 正体を隠していた廃救難艇 C-13
ナイトジャー号はどんな船か
ナイトジャー号は、STAR WARRANT の作中(西暦2319年)に登場する軌道救難艇です。廃艇として処分されたはずの船体を再登録し、賞金事件の捜査拠点として使われてきました。運用者は救難信号を値札で判断しない船長・天城レイ。中核乗員はミラ、ジョウ、旧式船載AI・MICA-13を加えた4名で、CASE 010からエナ・ソレルも合流しています。
速い船でも新しい船でもありません。それでも救難艇として設計された装備が、事件のたびに決め手になってきました。
天城レイ ナイトジャー号 船長 登録番号が変わっても、行き先は変えない。
STORY 作中の主な装備
- 接続アーム — 他船の船体に触れて固定する装備
- 独立端末 — MICA-13 を経由せずに記録を復号できる端末
- 保管庫 — 暗号化した証拠を収める区画(CASE 002)
- 外板十三番 — 船歴に関わる外板区画(CASE 006)
この船の何が、事件を解いてきたか
触れて聴く — CASE 001 の接続アームと独立端末
音は真空を渡れません。それでもCASE 001「真空で鳴るベル」では、操縦室の床を低い衝撃が走りました。接続アームが廃船《エコー7》に触れた瞬間です。固体同士が触れていれば、振動は伝わるからです。回収した振動データは、MICA-13 を通さない独立端末で復号されました。廃船に「触れて聴く」捜査は、救難艇の船体があってこそ成立しています。
推進器を貸した九十秒 — CASE 004
CASE 004「落下を続ける監獄」では、更生拘置環《ケストレル》の推力が足りませんでした。ナイトジャー号は《ヴェスパー》とともに施設の反対側に固定され、姿勢制御と不足分の推力を負担します。左推進器は過熱警告を出し、主推進器を九十秒以上使えば月航路には戻れない状況でした。船を代償にしてでも人命を選ぶ。レイの流儀がそのまま出た事件です。
船体そのものが鍵だった — CASE 006
CASE 006「昨日から届いた映像」では、この船の正体が事件の中心になりました。BH-13 宙域で回収された第十三保管器は、特定の船体識別でしか開かない設計でした。レイは船の所有権を失う可能性を承知のうえで、旧識別 C-13-NTJ を全帯域で再送します。原登録は復元され、保管器は開き、ナイトジャー号は未回収重要証拠船として押収対象になりました。船体確保賞金は90万クレジット。追う側だった乗組員が、追われる側に変わった事件です。
三年前の船歴 — この船は何を運んだのか
この船がどこから来たのかは、CASE 006 の核心にあたります。未読の場合は、先に本編を読むことをおすすめします。
CASE 006 捜査後に開く
- 旧識別 C-13-NTJ は、重力観測船《オルフェウス》に属する救難艇でした。
- 三年前、エナ・ソレル、負傷したハク・ヴェイル、MICA-13 の三者を乗せ、BH-13 宙域から離脱しました。
- 離脱の瞬間は、BH-13 に落とされた無人証拠カプセルの後方カメラに写っていました。これが CASE 006 の第四映像で、エナが BH-13 へ落下していないことを確定させた物証です。
- 船を天城レイへ届けたのは MICA-13 でした。以後、この船はナイトジャー号として運用されます。
- エナは船をレイへ送り出したあと、救難ポッド N-7 を切り離しています。CASE 006 の最後に、外板十三番から N-7 の航路タグが見つかりました。
- 現在の正規登録を作った人物と手順は、まだ分かっていません。
レイは三年間エナを探し続けながら、実はずっと彼女の逃走船に乗っていました。誰がこの船の登録を書き換えたのか。その問いは、シーズンの未回収の謎として残っています。
救難艇として現在を選んだ — CASE 007〜012
CASE 007「凍らない遺体」では、旧船体の熱制御と救難装備がN-7の熱収支を読む手がかりになりました。CASE 010でエナが現在生存を確認され、この船へ合流。CASE 012では中央核を破壊するためではなく、十三の原記録を分散送信するために船体と乗員の機能を使います。
シーズン1後も押収問題が消えたわけではありません。船体確保を含む複数令状は、OPEN MERIDIAN TIMEへの移行中に再審査されています。それでもナイトジャー号は、登録を取り戻すために過去を一つに書き換える道を選ばず、現在の乗員とともにシーズン2の捜査へ進みました。
現実の宇宙船にも「救命艇」はある
母船に小さな脱出用の船を備えるという発想は、創作だけのものではありません。
REAL SCIENCE 現実の科学
国際宇宙ステーション(ISS)では、滞在する乗員が緊急時にも帰還できるよう、乗員を運んだ宇宙船を係留して運用します。ソユーズはNASAの解説で救命艇にたとえられてきました。現在はCrew Dragonも有人往復を担います。係留される船種と機数はミッション構成で変わるため、特定の1機が常時あるとは限りません。
作中の《オルフェウス》が救難艇 C-13 を備える設定は、現実の安全設計が下敷きです。母船に救命艇を備える考え方を取り入れました。船体確保賞金から始まった複数令状の現在地は、シーズン2捜査ボード「第十四の時計」でも追えます。